リーノ式療育コラム 小さな「思いどおりにならない」を、育ちの機会に

みなさま、こんにちは。多機能型通所支援事業所リーノです。

今回は、リーノが大切にしている「折り合う力」についてお伝えします。
友達に先におもちゃを取られた。ゲームで負けた。楽しみにしていた遊びが終わった。子どもの毎日には、小さな「思いどおりにならない」があります。
大人は、できるだけ悲しい思いをさせたくないと考えます。失敗しないように手伝ったり、順番を調整したりすることもあるでしょう。必要な助けによって安心して参加できることは、子どもにとって大切です。
その一方で、いつでも希望がかなうように整え続けると、残念な気持ちから立て直す経験が少なくなることもあります。リーノでは、安心できる関係の中で、無理のない範囲の「思いどおりにならない」に向き合う機会も大切にしています。
そこで育てたいのが、折り合う力です。
折り合うとは、何でも黙って我慢することではありません。「悔しいけれど、もう一回やってみよう」「今は使えないから、別の物で遊ぼう」「少し休んでから戻ろう」と、自分の気持ちを抱えながら次の行動を選ぶことです。相手に希望を伝え、相談することも含まれます。
例えば、順番を待つ経験なら、初めから長い時間を求める必要はありません。次が自分の番だと分かるようにし、大人と一緒に短い時間を待ってみる。その子が取り組める一歩から始めます。
ゲームでも、負けた直後に笑顔で「楽しかった」と言えることまで求めなくてよいのです。悔しそうでも相手をたたかなかった。少し離れた後に戻ってこられた。「もう一回」と伝えられた。そこには、それぞれ大切な成長があります。
ただし、大人から見て小さな出来事でも、本人には大きな負担になっていることがあります。活動の難しさだけでなく、ルールの理解、疲れ、不安、周囲の刺激なども確認します。つらさが強いときには、負担を減らし、支援の方法を見直すことが必要です。
わざと困らせたり、失敗を重ねさせたりする必要はありません。日常の遊びや人との関わりに生まれる機会を、その子に合う大きさで支えることが大切です。
そして、立て直せたときには、「負けたけれど、また参加できたね」と具体的に伝えます。結果だけでなく、その途中で本人が取り組んだことに目を向けます。
思いどおりにならなかった経験が、「それでも大丈夫だった」という経験へ変わる。その積み重ねを、リーノでは丁寧に支えていきます。
多機能型通所支援事業所リーノ
作業療法士 梅内 峰宏

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