リーノ式療育コラムその5:小さな「思いどおりにならない」が、折り合う力を育てる

こんにちは多機能型通所支援事業所リーノです。

コラム最終回です。
子どもが困らないように先回りすることは、優しさの一つです。けれども、いつも勝てるようにする、欲しい物を必ず譲ってもらえるようにする、嫌がる活動をすべて避ける、といった環境だけでは育ちにくい力もあります。それが、「思いどおりにならない気持ちと折り合う力」です。
これからAくんが過ごす集団の中では、自分より先に友達が答えることも、使いたかった玩具をほかの子が使っていることもあります。ゲームで負ける日も、頑張っても一番になれないこともあります。そのたびに、悔しさや残念な気持ちを抱くでしょう。
リーノでは、その感情をなくすことを目指しているのではありません。思いどおりにならなくても、「嫌だった」と伝える、気持ちに折り合いをつけていく。少し休む、助けを求める、もう一度挑戦する、別の楽しみを見つけるといった選択肢を増やしていきたいと考えています。
そのために、Aくんの様子を丁寧に見ながら、活動や遊び、友達との関わりの中に、小さな「思いどおりにならない経験」を取り入れていきます。ここで大切なのは、加減です。難しいことを次々に求めたり、我慢を重ねさせたりするのではありません。疲れや体調、活動への理解、その日の気持ちを確認しながら、過負荷にならないよう調整します。
「これなら、少し頑張れば越えられそう」。その一歩を見極め、必要な支援を添えることが療育の役割です。
うまくいかなかったときにも、大人が答えをすぐに与えすぎず、Aくんが自分で立て直す時間を待ちます。そして、「取られて悔しかったけれど、待てたね」「負けても、最後まで参加できたね」「怒った後に、自分で戻ってこられたね」と、少しでも別の行動を選べた変化を具体的に認めます。
こうした小さな成功が積み重なると、「思いどおりにならなくても大丈夫」「自分は立て直せる」という感覚が育っていきます。
「思いどおりにならなくても大丈夫」
「自分は立て直せる」
Aくんの変化は、まだ始まったばかりです。場所が変われば、できることと難しいことが違うのも自然なことです。リーノでできたことが家庭へ、家庭でできたことが保育園へと少しずつ広がっていくよう、ご家族や関係機関と同じ方向を確認しながら支援を続けていきます。
怒らなくなることだけが、成長ではありません。怒っても自分を取り戻せること。悔しくても、その場に戻れること。思いどおりにならない現実の中で、次の行動を選べること。リーノは、子どもたちがその力を身につけ、自分らしく人や社会と関わっていけるよう、一人ひとりの歩みに寄り添っていきます。
多機能型通所支援事業所リーノ
作業療法士 梅内 峰宏

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

松本市、塩尻市、安曇野市等、松本周辺市町村で療育施設(児童発達支援、放課後等デイサービス)をお探しの方は、
ぜひ「多機能型通所支援事業所リーノ」へお問い合わせください!
〒399-0701 長野県塩尻市広丘吉田50-7(トイザらス近く)
TEL:0263-75-4171