掲載にあたって プライバシー保護のため、事実に基づき、年齢・性別・時期・エピソードの一部を変更しております。
リーノに、年少のAくんが通い始めました。
Aくんは、自分の思いがはっきりしていて、「一番」に強いこだわりを持つお子さんです。保育園では、友達とのやり取りの中で気に入らないことがあると怒ったり、使いたい物をなかなか譲れなかったりすることがありました。
かけっこでは、一番になれないと分かると走るのをやめてしまいます。勝ち負けのあるゲームでも、負けると怒り、それ以上参加できなくなることがありました。
家庭では、大好きなタブレットからお風呂への切り替えが難しい様子が見られました。あらかじめ「ここまで終わったらお風呂に入ろうね」と伝えると、そのときは「分かった」と答えます。しかし、実際に時間が来ると、「なんでだ!」と怒り、やめられなくなってしまいます。
こうした姿を見ると、「わがままなのでは」「分かっているのに、どうしてできないのだろう」と感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、リーノでは、表面に現れた行動だけで子どもを判断しません。Aくんは、負けることや終わることを頭では理解できても、その瞬間に生まれる悔しさや不安を、まだ自分で受け止めきれないのかもしれません。怒りは、困らせるための行動ではなく、「この気持ちをどうしたらよいか分からない」というサインでもあります。その一方で、怒るという行動によって、結果的に自分の思いがかなうという経験を積んできた可能性もあります。
怒りは、困らせるための行動ではありません。
「この気持ちをどうしたらよいか分からない」というサインでもあります。
大切なのは、怒らない子にすることではありません。悔しいと感じても気持ちを立て直せること、思いどおりにならない場面でも自分なりの折り合いをつけられること、助けが必要なときには怒る以外の方法で伝えられること。リーノは、こうした力を少しずつ育てていく場所です。
Aくんのお母さまも、この考え方に共感してくださいました。「こんなふうに考えてくれる場所に初めて出会えました」と、前向きな気持ちで療育をスタートされました。
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